夏の風物詩であるカブトムシやクワガタ。昔は虫取りに山に入ったりすることも多かったですが、最近は危険も伴うということで、野生の個体を捕まえに行くのではなく自家繁殖をして幼虫の頃から昆虫を育てている方が増えているようです。
また、お子さんと一緒に幼虫の時期からカブトムシやクワガタを育てると、変体していく過程に興味を持ってくれたり、お子さんの知的好奇心をくすぐることが多いのでオススメです。
しかし、これまでカブトムシやクワガタを幼虫から成虫まで飼育したことがないという方は多いと思います。特に幼虫からサナギになり、サナギから羽化するまでの期間が最も重要で難しい期間になってきますので不安を感じる方もいらっしゃるようです。
そこで今回は、このサナギ~羽化までの飼育方法と、羽化後の飼育方法をお伝えしていきたいと思います。
カブトムシやクワガタの一生の流れについて
カブトムシやクワガタは基本的に毎年秋になると産卵が行われて、そこから人口飼育の場合は99%の確率で孵化し、冬を幼虫として越冬します。
春を過ぎてくると幼虫は丸々と太り5月~6月くらいにサナギになり蛹室という羽化するための部屋を作り出します。ここで羽化を1~2ヶ月かけて行いようやく地上に出てくるという流れになります。
基本的には成虫になった昆虫は冬を越せずに死んでしまう場合がほとんどですが、クワガタは種類によっては越冬するものもいるようです。
サナギから羽化して成虫になるまでどのような過程があるか
ここではサナギから羽化を行い、成虫になって地上に出てくるまでどのような過程があるかを細かく見ていきます。
基本的にはこのサナギから羽化までの期間は2~3ヶ月くらいの長さになります。幼虫はサナギになる前に色味が変わってきて蛹室を作りだしますので、この行動が合図になります。ここからカブトムシとクワガタ飼育における最大の難関が始まります。
幼虫はサナギになる前に蛹室という、羽化専用の部屋を自分で作ります。これが綺麗に作れるかどうかが綺麗に羽化出来るか羽化不全を起こすかの分かれ道になりますので気をつけたいですね。ちなみに人口飼育での羽化成功率は70~80%を超えれば合格点だと言われています。
※蛹室を壊してしまった場合については、「【必見!】カブトムシやクワガタが羽化不全を起こす原因と対策まとめ!」をご覧ください。
サナギになったカブトムシやクワガタを扱う場合のポイント
サナギになった状態の昆虫は、少し触っただけでも傷つきやすく、また人の体温でもかなり高温に感じてしまうので、絶対に素手で触らないでください。
基本的に暗くて一定の温度に保てるスペースで保管するのが一番です。サナギが上手く羽化するには、温度管理がとても大事です。温度によって羽化にかかる期間が変わります。
たとえば、高温管理(20℃~25℃)で飼育すれば1ヶ月~1ヶ月半で羽化しますが、低音管理(16℃~20℃)の場合は2ヶ月~2ヶ月半くらいの時間が必要となります。
逆に言えば温度管理を適切に行えば、羽化のタイミングは調整出来ますので頭に入れておいてくださいね。
カブトムシやクワガタが羽化したら広いケースに移動してあげよう
適切に温度管理されたカブトムシやクワガタは羽化しても1週間~2週間くらいは地上に出て来ません。これは外側は完成しているのですが、内蔵などの中身が固まりきれていないためです。
この時に無理やり掘り返して取り出すことは厳禁です。触った衝撃で内臓が破損し、死んでしまうこともありますので気長に自分から地上に出てくるのを待っていましょう。
羽化後1~2週間で後食する場合がほとんど
カブトムシやクワガタは幼虫の頃と成虫ではエサが変わります。この餌が切り替わり初めて精通としてのえさを食べた際のことを”後食”と言います。人工飼育の場合は市販の昆虫ゼリーがおすすめですよ。
そしてこれを確認出来たタイミングで多頭飼育が可能になりますよ。遅くとも、このタイミングで広いケースに移して、快適に過ごせるようにセットしてあげてくださいね。
後食から1週間以上経てば交尾が可能に!
カブトムシやクワガタは後食から1~2週間で成熟し、交尾が可能になります。
もし産卵させたいという場合は、オスとメスをペアリングさせて別のケースに移してペアで飼育を行います。上手くいけばメスは死ぬまでに20個~40個くらいの卵を産んでくれますよ。
羽化後の昆虫の扱い方で寿命が大きく変わりますよ!
いかがだったでしょうか?カブトムシやクワガタの羽化後の流れや、羽化したら何をすべきかはご理解出来ましたか?
またカブトムシやクワガタは羽化後に個別飼育を行うのか複数個体を一つのケースで飼うかで大きく寿命が変わるということに気をつけてください。他の固体と一緒に飼育すればケンカの原因になりますし、交尾をするとオスもメスも体力を使ってしまうため寿命が短くなります。
もしお気に入りの個体がいて長生きさせたい場合には、個別のケースで1匹だけで飼育するのがおすすめですよ。ご自身の状況に合わせて交尾をさせるかどうかを決めてくださいね。