皆さんはカブトムシを幼虫から飼育したことはありますか?最近ではカブトムシやクワガタなどの昆虫をブリーディングする人が増えてきているようです。
昔はカブトムシやクワガタのブリーディングが流行し、儲かる副業として人気があった時期もありましたが、今はそこまで副業というわけではなく、単純に趣味として行っている人々が多いようです。
人工繁殖はそこまで難しくなく、成虫となったオスとメスを同じ飼育ケースで育てることで高い確率で産卵をしてくれます。そしてその卵が孵化し、幼虫になったものを飼育していく方法が一般的なようですね。
そもそも羽化不全とは何か
幼虫から成虫までを育てて人工繁殖をしていると、ある課題に直面する時があります。それは幼虫がサナギから羽化する際に羽化不全を起こすことを指しています。残念ながら羽化不全になってしまった成虫は基本的には短命になってしまいます。
羽化不全になるとカブトムシやクワガタには下記のような事象が発生してしまいます。
- 角や歯が折れたり、曲がったりしてしまう
- 前羽が綺麗に閉じなくなる、もしくは欠損してしまう
- 腹部や後羽が綺麗に前羽におさまらなくなる
- 前羽にシミが出来たり、デコボコが出来てしまう
- 最悪の場合、羽化中に死に至る
羽化不全になってしまうと、せっかく手塩にかけて育ててきたカブトムシやクワガタへの努力が一気に水の泡になってしまいますし、昆虫たちも短命になってしまいますのでどちらにとっても何もいいことはありません。
それではどのように羽化不全を予防すればいいのでしょうか?
次に羽化不全はなぜ発生してしまうのか?またどのような原因で羽化不全になることが多いのかについて考えていきます。
羽化不全が発生する原因
ここでは羽化不全が発生してしまう原因について考えてみたいと思います。
どうやら羽化不全が起こる場合、下記の3つが主な要因になるみたいです。
- 蛹室が壊れてしまっている
- 蛹室が幼虫のサイズに合っていない(小さい)
- 高温多湿な環境で放置してしまっている
ここではそれぞれの原因と対策について考えていきます。
蛹室が壊れることが羽化不全の最大の原因
カブトムシなどの昆虫が羽化不全を起こす最大の原因は、蛹室と呼ばれるサナギから羽化する期間の居場所が何らかの理由で崩壊することです。すべてが壊れてサナギが埋まってしまえば死んでしまうことも多く、少し崩れただけでもその破片がサナギを傷つけてしまいデコボコなどが生まれる原因になってしまいます。
下記に蛹室が壊れてしまう原因をまとめましたので、参考にしてくださいね。
- 振動や衝撃により、蛹室が壊れる
- マットの水分が足りずに充分に固まらずに崩壊する
- 同じケースに複数の幼虫を入れており、後から蛹室を作る幼虫によって壊される
このような原因が多いようです。
幼虫と蛹室のサイズが合っていない場合、ツノが曲がりやすくなるので要注意
蛹室は壊れていないが、そもそものサイズが小さくてサナギが収まりきれなくなり羽化不全を起こしてしまうこともあるようです。
この場合は死に至ることはほとんどありませんが、変形してしまった成虫に羽化してしまうので注意が必要です。
複数の幼虫を同じケースで飼育すると蛹室が全て崩壊する恐れも
最後に、幼虫を衣装ケースなどを利用して多頭飼育をしている場合、個別のケースに移し変えなければ全ての蛹室が壊れる可能性も出てきます。幼虫によって、蛹室を作るタイミングはバラバラであり、近くに寄ってしまったがためにお互いの蛹室が崩壊してしまうこともあるようです。
基本的にはサナギになる前の幼虫は簡易な容器でも良いので、個別飼育するのがおすすめですよ。
直射日光が当たる場所や、湿気が強い場所に放置しないことも大切
最後に、高温多湿な場所に幼虫を入れたケースを置かないことも重要です。
場合によっては、羽の部分などに水がたまり、羽がしまえなくなるなどの羽化不全を起こす原因になることもあります。日陰で暑くならない場所でケースは保管しましょう。
またカブトムシが羽化する時期は「カブトムシが成虫に羽化する時期はいつ?飼育の注意点は?」でご説明しておりますので、羽化時期を念のため確認したい方はぜひこちらもご覧くださいね。
もしも蛹室を壊してしまったら人口蛹室で対応しよう!
もしも蛹室を壊れてしまったり、サナギがマットの上に横になってしまった場合は、人口蛹室を利用して飼育することがオススメです。
人口蛹室は自分で作ることも出来ますし、ネットショッピングで1000円しないくらいの値段で購入することも可能です。
もし蛹室を壊れてしまった場合は、あせらずに人口蛹室を準備し、優しくサナギを頭を上にして置いてくださいね。その際には素手では触らないようにして、綺麗な成虫に羽化出来るようにしてあげましょう!
また人口蛹室を使用すれば羽化を観察することが出来ますよ。
人口蛹室でおすすめの商品が「ミタニ メガエッグL 人工蛹室 大型個体用 さなぎ 羽化不全防止」になります。プラスチック製ですので繰り返し何度でもお使いいただくことができます。カブトムシが羽化不全を起こしてから購入するのでは手遅れになってしまいます。羽化前に用意しておきたい一品になりますね。
カブトムシの羽化を不全を予防しよう!
いかがでしたでしょうか?羽化不全を起こす原因などはご理解いただけましたか。
カブトムシの羽化不全を予防するためには羽化前からの対策がとても重要です。上でご紹介した別容器で羽化させる方法はとてもおすすめですので、ぜひ試してみてくださいね。
万が一カブトムシが羽化不全を起こしてしまったら、最後の砦は飼い主さんのあなたです!
しっかりと人口蛹室を用意して、カブトムシを守ってあげましょうね。
またカブトムシの羽化後の飼育方法は大丈夫ですか?カブトムシは羽化した後に正しい対応を取らないと寿命が短くなてしまいます。「羽化後の飼育方法!カブトムシやクワガタが羽化したらどうしたらいい?」で詳しくご紹介しておりますので、こちらもぜひご確認してくださいね。