熱帯魚飼育は現在の日本において一般的になってきました。特に都心においては小型~中型サイズの水槽で室内飼育出来るということもあり人気のようです。熱帯魚飼育は基本的に熱帯魚と水草という比較的飼育が簡単な生き物を扱うので、そこまで心配することはありません。
むしろ熱帯魚飼育のキモになるのは、水槽の水質管理です。濾過装置の立ち上げから安定運用やバクテリアの量のコントロール、水温やpH値など確認しなければいけないポイントがたくさんあります。
その中でも様々な通説があり、人によって考え方が違うのが水換えの頻度です。たまに換えるだけでよいという方から毎日水換えを行うべきという方法まで様々な意見があります。
そこで今回は熱帯魚をこれから初めて飼う方向けに、熱帯魚の水替えは毎日行うのが良いのかどうかについてお伝えしていきます。
熱帯魚の水槽で気をつけるべきポイント
まずは熱帯魚の水槽を運用していく上でのポイントをお伝えしていきます。基本的には下記の値を確認し、異常値がないかを確認していくのが鉄則です。
- 水温
- pH値
- 水の濁り
- 亜硝酸塩
基本的には、水槽の水質を確認するポイントは水温とpH値となります。熱帯魚の種類によってこの2つの適性値は異なりますので絶対にこの数字というものはありません。熱帯魚を購入する際に店員さんにどのくらいの数値で飼育するべきか確認しておくのが一番です。
また水の濁りは目に見えて分かるので、毎日欠かさずチェックするようにしましょう。毎日与えているエサの残りやコケ、状況によってはプランクトンの異常発生を起こしてしまいますので毎日浮いているゴミを除去するなどの対応を行っていくのがオススメですよ。
亜硝酸塩というのは簡単にいうと魚にとって有害な物質です。この値が高いと熱帯魚が全滅してしまうこともあります。これは水槽の立ち上げ期に最も値が高くなりやすいので、水槽の立ち上げ期が一番水質を気にする時期であるとも言えますよ。
水槽立ち上げから1ヶ月は1/4程度の水換えを毎日行うのも一つの手
ここでは、水槽立ち上げ期(立ち上げから約1ヶ月程度)における水質管理についてお伝えしていきます。
まず始めに前提を確認すると、熱帯魚の水質を保つためにはろ過装置を使用します。このろ過装置は2つの方法で濾過を行っており、一つはフィルターによる物理的な濾過、もう一つはバクテリアによる生物的な濾過です。
水槽を立ち上げた場合、物理的なろ過はすぐに機能しますが、生物的なろ過が本格的に稼動し始めるまでには約1ヶ月程度かかることもあります。バクテリアはろ過装置のフィルター内に住み着くのですが、最初の頃はなかなか定着してくれないため水質が安定しにくいです。
特に亜硝酸塩は生物濾過でしか対応できないため、最初の1ヶ月は水質が危険な状態になりやすいです。
そこで対策となるのが、毎日1/4程度の水換えを行う方法です。この方法を行うことで物理的に亜硝酸塩を引き下げることが可能です。この時に1度に大量の水を入れ替えると水質が大きく変化し熱帯魚に影響を与えるので、あくまで少量ずつというのがポイントですよ。
また最初の1ヶ月はバクテリアを定着させるためにフィルター掃除は行わないようにしましょう。
水槽が安定してきた場合は水換えは毎日行わない方が良い
水槽立ち上げから1ヶ月以上経ってくると水槽内にバクテリアが定着し、水質が安定してきます。ここまでくると毎日水換えを行う必要はなくなります。むしろ毎日変えてしまうとせっかく安定した水質が変化してしまうことになり、熱帯魚が病気にかかったり水草の成長を阻害する可能性もあります。
ゴミ取りなどの掃除は毎日行っても問題ないですが、水替えの頻度は抑えましょう。
基本的には水槽の1/2~1/3を1~2週間に一度の頻度で水換えすれば十分です。またフィルターの掃除を行う際は優しく水洗いで汚れを落とす程度にしてください。間違っても洗剤を使うなどはNGです。せっかく住み着いたバクテリアが死んでしまう上に、洗い残しがあると水槽の洗剤が流入し水質悪化してしまいます。
熱帯魚飼育時の水換えは、毎日少しずつ行いながら徐々に頻度を落としていこう
いかがだったでしょうか?熱帯魚飼育のキモである水質管理について、確認するポイントと水槽立ち上げ期の水換え方法とそこから安定してきた後の水換えの方法についてお伝えしてきました。
基本的に水替えは一度に全ての水換えは行いません。熱帯魚に負荷がかからないように少ずつ換えていくものであることは充分に意識してくださいね。
熱帯魚の飼育は一番最初が最も大変なので、難しいように見えるかもしれません。しかし、そこを越えると優雅に泳ぐ熱帯魚たちが毎日癒してくれるようになりますので、是非熱帯魚の飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか?きっと後悔はしませんよ!