最近は再び金魚を飼育する方が増えてきているようです。日本の夏の風物詩である金魚すくいで捕まえてきた金魚をそのまま飼育する方も多いようですね。
そのような場合によく聞かれるのが金魚が餌をたべないという状況です。これは以外と多い事象であり、そのような状況に直面してしまう飼い主さんは意外と多いようです。
そこで今回は金魚が餌を食べない原因についてご紹介していきます。大きく分けて要因は2つありますので、それぞれの詳細をお伝えしていきますよ。
金魚が餌を食べない場合の理由は大きく2つ
金魚がエサを食べない原因は、大きく2つの場合に分かれます。
- 環境に原因がある場合
- 金魚に問題がある場合
基本的にこのどちらかが問題であることが多いです。ここからはそれぞれについて詳細をお伝えしていきます。
金魚は自分の住む環境に依存してしまうので注意が必要!
金魚は自分が住んでいる水槽の水温や水質といった環境に大きく左右される生き物です。魚は基本的に変温動物であり、自分で体温調整が出来ずに水温=体温になってしまうような動物なのです。そのため金魚にとって、周囲の環境はかなり大事ですよ。
ここでは、金魚が餌を食べない代表的な環境要因をお伝えしていきます。
- 水温が20度以下になっている
- 金魚を購入したばかりである
- 水替えを直近で行った
それぞれの詳細を確認していきましょう。
金魚は水温が20度以下になるとエサを食べない?
先にお伝えしましたが、金魚は変温動物です。そして金魚の体温が高いかどうかでエネルギー消費やエサの消化といった代謝効率が変わってしまいます。つまり金魚は水温が20度~25度くらいに上がってくると代謝が上がり活発に動きます。消化も早くなるので、基本的にはエサを食べやすくなります。
逆に20度を下回ってしまうと、金魚はあまり動かなくなり消化も鈍くなります。あまり動かなくなりエネルギーが必要なくなるので、エサを食べにくくなります。
これは基本的には問題ない状態であり、正常な反応です。もし時期が冬であれば、水が極端に冷たくなったり凍らなければOKです。
ただし金魚が明らかに痩せ細っている場合は、水温を上げてエサを食べるように促したほうがよいでしょう。ただし、急に水温を上げすぎないように気をつけてください。
また冬季の金魚への餌の与え方は『【飼育方法別】冬も金魚に餌を与えるべき?量や回数はどうすればいい?』で詳しくご紹介しておりますので、ぜひこちらも併せてご確認してくださいね。
購入したばかりの金魚は新しい水槽での飼育に慣れずにストレスを感じています!
人は引越しを行うと少なからずストレスを感じるのと同じように、金魚も住んでいる水槽が変わり、水温や水質が変化するとストレスを感じます。また移動中に水が揺れると、それもストレスになってしまいます。
さらに新しい水槽に入れる時も高さをつけて水槽に入れるのもNGです。優しく高さをつけずに新しい水槽にリリースするのがストレスをかけない方法です。
金魚もデリケートな部分はもちろんありますので、丁寧に扱ってあげてくださいね。
水替えのやりすぎや水を全て入れ替えると金魚が病気になる原因にもなります!
金魚を清潔な環境で飼育するために水槽の水を定期的に交換することは非常に大切です。もし交換しなければ、水は糞尿まみれになってしまいます。水質悪化の原因になったり、病気の症状を引き起こしてしまうこともあるので水替えは必須です。
しかし、水を変えすぎるのも水温や水質が一気に変わり、金魚に負荷をかけるので気をつけてください。
オススメのやり方は、一日汲み置きしておいた水を水槽の1/3~1/4ずつを3週間~4週間くらいを目処に変更してあげることです。水道水はカルキが入っているので汲み置きにすることで中和可能です。またショッピングセンターで売っている中和剤を利用してもOKです。
また購入してきたばかりの際は、少し水槽の水を減らして移動に利用した水を足してあげることで水質を元の環境のものに少しだけですが近づけることが出来ますよ。ただしペットショップの水質がよろしくない場合もあるので、一概に良いとは言えませんのでご注意ください。
環境に問題がない場合は、金魚が病気の可能性も!
もし環境に問題がない場合、金魚が病気である可能性が高いです。
主な金魚の病気は下記の3つがあります。
- ウオジラミ症/イカリムシ症
- カラムナリス症
- ダクチロギルス症・ギロダクチルス症
ここでは、それぞれの病気の原因や症状、そして治療方法をお伝えします。
ウオジラミ症/イカリムシ症の原因は寄生虫。ピンセットで駆除も可能です。
この病気はイカリムシという寄生虫に大量に付着された場合に発生する病気です。症状としては、金魚が飛び跳ねたり、身体を水槽の壁や水草にこすり付けて何かを落とそうという仕草をとることが多いです。神経質な行動が出始めたら要注意です。
治療としては、イカリムシは目視で確認出来るのでピンセットなどで除去してあげて、専用の薬を利用した薬浴を行うことが有効です。
この場合のおすすめな薬剤は「病魚薬 魚病薬 トロピカルゴールド」です。ウオジラミ症やイカリムシ症専用のお薬になりますので、金魚のためにも使用してあげてくださいね。
カラムナリス症が発生すると危険。酸欠になって死ぬ場合もある病気です。
これは病原体となる寄生生物が、金魚のエラ、ヒレ、口などに付着することで、付着部位から出血し呼吸困難や排泄困難に陥ってしまう恐ろしい病気です。別名で「エラ腐れ病、ヒレ腐れ病、口腐れ病」と呼ばれることもあります。
症状は、エサを吐き出したり、注水部やエアーの近くの酸素が多い場所に留まったり、口呼吸をしているなどケガをした部位に関わるものが多いようです。
治療方法は塩を使った塩浴や駆除薬を利用した薬浴などが有効ですよ。また酸欠になっている場合が多いので、エアーの出力を増やしてあげる事も大切です。
カナムナリス症におすすめな薬剤が「ニチドウ エルバージュエース」です。大切な金魚の生命に関わる一大事ですので、ぜひ投薬してあげてくださいね。
ダクチロギルス症・ギロダクチルス症はカラムナリス症と症状が似ているので注意!
ダクチロギルス症やギロダクチルス症も、同じく寄生虫が原因となる病気です。
症状では区別がつけることは困難なので、悪化させないようにカラムナリス症とダクチロギルス症・ギロダクチルス症の両方の駆除薬を同時に利用した薬浴を行うことが一番ですよ。
金魚が餌を食べないときは、まずは何が原因か特定しよう!
いかがだったでしょうか?金魚が餌を食べない際の確認ポイントをお伝えしましたが、ご理解いただけましたか?
環境に問題がない場合は、金魚が病気であることが多いので、症状を悪化させないように早めに対処してくださいね!